2022年12月の日銀の金融緩和政策では、長期金利の変動幅が0.25%から0.5%に引き上げられました。これから住宅ローンを組もうと考えている人にとっては、これらの金融政策がどのようにローンに影響を与えるか気になるところですよね。
この記事では、今後の金利動向について、住宅ローン金利への影響を中心に解説します。
変動金利と固定金利の違い
住宅ローンを組むためには、元本に返済に加えて金利を払う必要があります。
金利は、「変動金利」と「固定金利」の2種類から選択可能で、ライフスタイルや経済状況に合わせて選んで支払います。変動金利と固定金利の違いは次の通りです。
変動金利
変動金利は、金利を年に2回見直す仕組みです。金利が上がればその分返済金額は増えますが、金利が下がればより少ない返済額で済みます。
経済の動きから影響を受けるため、支払う金利額が予測できないのが特徴です。
しかし、ベースとなる金利額は固定金利額よりも低いという魅力があります。今後金利が下がる見込みがある状況の際には変動金利を選択した方が得になります。
固定金利
固定金利は、借入時の金利をローン返済時まで維持し続ける仕組みです。今後金利が上がると予想される場合は固定金利を組むことで、返済する金額が少なくても済みます。
また、固定金利で住宅ローンを組むと、返済額が一定であり続けるため返済計画が立てやすい特徴があります。
金利の動向をチェックするのが苦手な人や、安定した将来設計を望む人には固定金利が向いています。
今後の金利動向はどうなる?
今後の金利の動向は、正確には予測できません。
しかし、現在の日本の長期金利は過去30年間の中でもかなり低い現状であり、これ以上下がることはないだろうと考えるのが自然でしょう。
変動金利の急上昇はない?
変動金利はどの銀行においても1%を割っている現状であり、横ばい状態が続いています。今後上昇する可能性がないとは言い切れませんが、変動金利は0.4%程度であり「低利」と言われる状態です。
さらに変動金利では、5年ルールと125%ルールと呼ばれるものがあり、急激な金利上昇に直面しても支払い金額が急増することはありません。
5年ルールとは、変動金利における月々の返済額は5年に1度しか見直されないルールです。返済額見直しのタイミングでない場合、住宅ローン返済額の中の元本と利息の内訳が変動します。
125%ルールとは、急な金利上昇があっても最大125%までしか返済額が上昇いない仕組みです。返済額が月10万円だとしたら、1度の見直しでは最大でも12万5千円までしか上がらないことになります。
固定金利は少し上昇する可能性がある?
2022年12月の日銀の決定により、各大手銀行は固定金利の引き上げを行いました。
みずほ銀行+0.30%、三井住友銀行+0.26%、三菱UFJ銀行+0.18%であり、今後も上昇していく可能性はあります。
金利動向に大きく左右されない住宅ローンの組み方
金利動向は住宅ローンを検討している人にとって重要な要素です。
しかし、大切なのは金利が大きく変動しても継続的に返済できる状況を作っておくことです。ここでは、金利動向によるリスクの少ない住宅ローンの組み方を紹介します。
借り過ぎない
大前提として、住宅ローンは借りすぎないことが大切です。現在の収入から今後の返済計画を立て、無理のない範囲でローンを組みましょう。
借りすぎてしまうと金利動向によって返済額が上昇した際に、返済が苦しくなってしまう可能性があります。
金利上昇リスクに備えて資金を準備しておく
変動金利で住宅ローンを組む場合、金利上昇のリスクは常につきまといます。とくに現在のように超低金利の状態が続いている現状では、今後徐々に金利が上昇していくことは十分に考えられます。
変動金利でローンを組むためには、今後の金利上昇のリスクを理解し、柔軟に対応できるような資金を蓄えておく必要があります。
金利上昇に不安を感じる人は、固定金利で住宅ローンを組むのがおすすめです。
金利の低さだけで住宅ローンを選ばない
住宅ローンを選ぶ際は、目先の金利だけで判断してはいけません。
通常変動金利は固定金利よりも金利が低く設定されています。たとえば、変動金利が0.5%前後なのに対し固定金利は1%など、パッと見れば変動金利の方がお得に感じます。
しかし、変動金利には常に金利上昇のリスクがあるため、返済額が上がってしまう可能性は十分にあります。そのため、一見固定金利の支払い金額が多く見えても、長期的に見てどのような結果になるかはわからないのです。
金利動向を見越した住宅ローン選びを
金利動向を正確に把握することは難しくとも、住宅ローンを組む際にはある程度の見通しを立てる必要があります。借入時には以下の点に注意しましょう。
借り換えを検討
金利の高い住宅ローンから金利の低い住宅ローンへの借り換えは、最終的な総返済額を減らせる可能性があります。
金利上昇によって影響を受けるのは変動金利ですが、固定金利で住宅ローンを組んでいる場合も金利引き下げ期間の終了に伴って変動金利に移行している可能性があるので、借入金利を確認しておくことをおすすめします。
そのうえで、総返済額を減らすため、金利の高い住宅ローンから金利の低い住宅ローンへ借り換えすることを検討しましょう。
しかし、住宅ローンの借り換えには事務手数料や登記関連の費用が発生するので、それらを踏まえてお得なほうを選択するのがベストです。
変動金利と固定金利を組み合わせた住宅ローン
変動金利と固定金利を組み合わせたミックスプランは、それぞれのいいところを活かすことのできる住宅ローンです。
組み合わせの割合で月々の返済額は変わり、返済額が変動金利よりも高くなる一方、金利上昇のリスクが抑えられます。固定金利だけで住宅ローンを組む場合に比べると、ミックスプランは当初の返済額を軽減することが可能です。
繰り上げ返済を検討
住宅ローンを長期間借りれば借りるほど利子がついてしまうので、可能であれば繰り上げ返済を検討しましょう。早めにローンを返済できれば、その分返済額が少なく住む仕組みです。
金利上昇により返済額が上がってしまうと家計を圧迫します。金利の動向に応じて、柔軟に返済額を調整できるように、繰り上げ返済用の資金を準備しておくことが大切です。
まとめ|住宅ローンの相談はSUNTHREEにお任せ
住宅ローンを組む際は、金利の動向に合わせて最適なプランを選ぶ必要があります。金利が今後下がる(もしくは変わらない)と予想される場合は変動金利を、今後金利が上がると予想される場合は固定金利を選ぶのがセオリーです。
住宅ローンの借入額や審査や税金支払い、金利の動向など複雑な要素を含めた検討が必要です。わからないことが多く不安を感じるのであれば、プロに相談するのがおすすめです。
経験を基にした多角的な視点で、各家庭に最適な住宅ローンを提案します。弊社にご相談ください。
このコラムを書いたスタッフ
創業以来、マイホームや収益不動産の売買仲介、賃貸仲介や管理など、お陰様で数多くの幅広い業務を経験させて頂きました。 今では注文住宅の請負や自社物件の建築もさせて頂いており、物件の見方、選び方をお伝えする事には自信があります! お客様には気兼ねなく検討物件の好きなところを見つめて頂けるよう、私たちが進んでデメリットを探し出しお伝えする様に努力しておりますので、良い情報ばかりで溢れたこの情報社会の中で安心できるお住まい探しをサポートいたします! |
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